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学生による学科紹介

情報科学科生は自分たちのことを「Iser」と呼びます。
Iser はどんな日常を送っているのでしょうか? 授業は? 演習、実験は? 食生活は? アルバイトは?起床就寝時間は? 色々な人に色々な生活を語ってもらいました。

座談会(大学院生)  | 朝原(修士一年)、アロンソ(博士二年)、小山(博士一年)、森藤(修士二年)
2015年02月27日
研究の話
森藤:まずは簡単に自己紹介をお願いします。
アロンソ:スペインから来たアロンソです。今井研究室の博士課程2年で、コンピュータ囲碁のAIのゲーム木探索について研究しています。
森藤:今の研究室を選んだ理由はありますか?
アロンソ:研究室を選んだときはスペインにいたので、ウェブサイトを見て決めました。同じテーマを研究していた先輩がいたのですが、僕が入った時には卒業してしまっていました。
小山:私はいま博士課程1年で、五十嵐研究室に所属しています。コンピュータグラフィクスやユーザインタフェースなど幅広い応用分野を扱っている研究室で、私は特にデザインの良し悪しを計算モデル化するという研究をしています。研究室を選んだ理由は、コンピュータグラフィクスに興味があったからです。卒業論文と修士論文はコンピュータグラフィクスのテーマで書きました。
朝原:本位田研究室の修士1年です。研究室はソフトウェア工学と自己適応システムをやっているところなのですが、私自身はモバイル端末のユーザインタフェースについて研究しています。五十嵐研も希望していたのですが、この研究室に配属されることになりました。
森藤:平木研究室の修士2年です。TCP通信の高速化の研究に取り組んでいました。コンピュータネットワークの授業が面白かったので、そういった研究がしたくてこの研究室を選びました。

森藤:アロンソさん、囲碁の研究をしているという話でしたが、囲碁は昔からやっていたんですか?
アロンソ:囲碁は昔からというわけではないですが、ゲームAIには興味があり、趣味を研究にしたいと思ったのでこの研究にしました。
森藤:それは日本に来る前から?
アロンソ:はい。コンピュータ囲碁では局所性鋭敏型ハッシュを使ってオープニングブック(注:チェスで序盤の定石という意味を表す用語、ここでは単に定石という意味で用いられている?)を使うという手法があります。今の定石は完全一致でないといけないのですが、これによって似ている手に対処できます。
小山:囲碁の研究をしている研究者は世界的にもたくさんいるんですか?
アロンソ:最近多いみたいですね。チェスや将棋の研究がやり尽くされてきたので。

森藤:朝原さんは、モバイル端末のユーザーインタフェースについて研究しているとのことですが、どんなインターフェースを作っているのですか?
朝原:これは以前行っていた、ARを使った技能練習支援の研究なんですけど…(デモを見せる)
小山:AR技術だけでなく、センシングと物理シミュレーションも使ったシステムなんですね。
森藤:これはもう学会発表したんですか?
朝原:WISSという学会で発表をしました。
研究室の話
森藤:結構みんな自由に活動しています。週に1回ミーティングがあって、それ以外は研究室でもいいし家で作業してもいいです。私は結構研究室にいるんですが、普段から大学に来る人はあまりいないです。雰囲気は、先生から学生に対して強制することはあまりなくて、学生が自由にテーマを選んでやりたいことをやっています。先生はそれをある程度フォローするというのがうちの研究室の流れですね。
小山:うちもそれと似ています。週に1回のミーティングがあって、それ以外は自由、基本的には家で作業する人が多い感じです。僕はずっと研究室にいるんですけど。うちの研究室は応用分野を扱っているのですが、研究テーマは各学生が自由に選ぶので、人それぞれ研究テーマが全く違います。僕はデザイン支援の研究をしているんですけど、人によっては三味線を弾くのを支援したいとか、地図のインターフェースを何とかしたいとか、面白い画像編集をしたいとか、紙飛行機を作りたいとか、本当に人それぞれですね。で、先生がそれをフォローするという形です。
森藤:学生間でものを見せ合って議論したりということはありますか?テーマが結構違ってくるので難しいと思うんですけど。
小山:そうですね、難しいです。
森藤:根幹にある技術も結構バラバラですよね。
小山:まるで違いますね。ただ、もちろん共通している部分も結構あって、研究ってやっぱ最初に研究テーマについてみんなでブレインストーミングして、実際に研究計画を書いて、関連研究を調べて、こういう手順で研究を進めていこうとか、この学会で発表しようとか... そういったどの研究にも共通している点については、活発にディスカッションします。
森藤:今井研だとアルゴリズムの話は共通なので議論は活発にできそうですね。
アロンソ:今年は人数が増えましたからね。半数くらいの人はよく大学に来ます。週2回、発表と輪読があるのでそのときはみんな集まります。僕はプログラミングとかは家でやるほうが好きなのであまり来ないけど、理論の勉強をするときは来ます。研究テーマは自由ですが、グループみたいなのがあって、グラフ理論をやる人たちと、量子コンピューティングの人、計算量理論の人、ゲームAI、マトロイドなど、いろいろに分かれています。
朝原:本位田研はソフトウェア工学と自己適応システムがメインなので、その2つはグループがあってみんなで研究しているみたいです。うちは先生から直接指導を受けることはほとんどなくて、近況を報告して指示をもらうことはありますが、基本的には助教の先生についてもらって指導を受けます。週2回、研究室セミナーと輪講会があってその日はみんな集まります。セミナーでは担当者が自分の研究の発表をして、他の学生、教授と助教の先生たちからフィードバックをもらいます。研究室にはなるべく来るようにと言われます。先輩も結構研究室にいます。
小山:そういえば平木研って、社会人博士の方もいらっしゃいましたよね?
森藤:私が学部生の頃に一人いらっしゃいました。その前にもそういう人はいたようです。
小山:企業と共同研究することはあったりするんですか?
森藤:企業の方と協力することはよくあります。実験に使う機器を借りたり、ネットワーク実験だと回線や機器を置く場所を借りることもあります。例えば、私がいるプロジェクトだとSCという学会で毎年デモをやっていて、アメリカと日本で通信の実験をしたりしているのですが、いろんな企業やプロジェクトの方に協力していただいています。
学会の話
森藤:学会の話が出ましたが、みなさんが参加する学会はどのような雰囲気ですか?
小山:SIGGRAPHというコンピュータグラフィクスの学会があって、最盛期には5万人近くが参加いていたような巨大な学会なんですが、論文発表をする人もいれば、アーティストがアート展示を行ったり、最新テクノロジを駆使した研究を展示する場所があったり、企業のブースがあったり、学会というよりはお祭りというような感じです。
森藤:実際に参加してデモをすることもあるんですか?
小山:自分自身は今まで論文発表しかしていないですが、研究成果をデモ展示をする人も多いです。あとはコンピュータアニメーションフェスティバルというのがあって、ショートムービーを応募して採択されるとSIGGRAPH会場の大きなスクリーンで上映されるというものなんですが、すごく人気で、みんないい席を取るために並ぶんです。そこには美大生が制作アニメを応募したり、ディズニー・ピクサーなどの企業がショートムービーを応募したり、最近上映された映画のメイキング映像が流れたりなど、SIGGRAPHでしか見られない面白いムービーが見られます。
森藤:面白いですね。そういうイベントとしての側面もあるんですね。
小山:人材交流がすごく盛んで、研究者でない企業の人も会議に参加できるし、アカデミックの人も産業のニーズを間近で知ることができたりします。
アロンソ:今井研だったら、データマイニングとか、ネットワーク、あるいはもっと理論的な学会があります。僕はゲームAIなので、箱根で開催されたゲームプログラミングワークショップに参加しました。初めて日本語でポスター発表したので大変でした。毎日温泉に入るのを楽しみにしていましたね(笑)
森藤:箱根ですもんね(笑)
小山:いいですね。ちなみにこの間私が参加した学会はハワイでした(笑)
アロンソ:ハワイの学会行きたいなあ。
森藤:初めて海外の学会に行ったときはどうでした?
小山:僕は卒論生の時にSIGGRAPH Asiaという学会で香港に行かせてもらって、初海外だったんですけど、カルチャーショックが大きかったですね(笑)
森藤:香港なら結構近いですね。
小山:距離は近いんだけど、価値観が結構違って、香港は中国の中では欧米文化があると思うんだけど、それでもカルチャーショックだった。ところでコンピュータ科学専攻は海外の学会に行く機会がかなり多いですよね。
森藤:海外志向なところはありますね。私も最初の学会が初海外でした。カルチャーショックはそこまでなかったのですが、発表はみんな何を言っているかわからなくて英語がトラウマになりました(笑)それ以降実験などでも何度か海外に行っていて、結構恵まれている専攻だと思います。
日常生活の話
森藤:普段はどんな生活をしていますか?
小山:学部生のときはサークルをやっていたので、本郷と駒場を行ったり来たりしていました。今はネットサーフィンと研究しかしていない(笑)
アロンソ:僕も研究が忙しくて何もしていませんね。
森藤:やっぱり土日も研究に取り組んでいるんですか?
アロンソ:それかだらだらするか(笑)
小山:院生になると曜日感覚がなくなるから、土日働いておいて、平日にたまに休んだりします。平日休むとどこかに遊びに行っても空いていたりするので。
森藤:私もあまり曜日感覚はなくて、週1回のミーティングを基準にしていますね。ミーティングの前日にがんばって、そのあとはすこし休むことが多いです。締め切り前とかは休んでいられないこともあるので頑張って作業したりしますね。
アロンソ:締め切りを自分で決められることも多いですね。自分でちゃんと決めないといけないです。
森藤:やはり、自分で締め切りを定めて自分でやることを考えていかないといけないというのが学部の生活との大きな違いですかね。
小山:その通りですね。
卒業後の進路の話
森藤:みなさんは卒業後の進路についてどのように考えていますか?
小山:どこかしらで研究者ができたらいいなと思います。うちの分野だと一旦企業研究者なってから大学に戻るという例も多いので、企業の研究所というのも選択肢として考えています。
朝原:私は今就活中で、自分の性に合ったところに行きたいと思っています。ずっとコードを書いていたいと思っているので、そういう仕事につければなと思っています。
小山:フロントエンドとバックエンドだったらどっちがいいですか?
朝原:フロントは人が多そうなので、人が少なそうなバックエンドがいいです(笑)
森藤:私は今年の四月から、自分の研究の流れで通信系の会社に就職することになっています。研究分野とやっていることは近いですが、研究よりは開発・運用に近いことをするんじゃないかと思っています。自分の興味のある通信の技術を活かしたいと思ってこの業界を選びました。実際にこの業界の人と一緒に研究することがあって、いきいきと楽しそうに仕事をしていたので、私も楽しく仕事できればいいなと思っています。
アロンソ:研究者にもなりたいけど、仕事の経験もほしいから迷っています。インターンシップという手もあるので… でもまずは研究成果を出さないといけないです。あとは、スタートアップを作るという話も友人としたりします。これからも日本で働きたいですね。
これから学科・専攻を選ぶ方へ
森藤:これから学科・専攻を選んでいく学生はどういう気持でここを選ぶべきでしょか。
アロンソ:本当に好きなテーマを選ぶことが必要ですね。途中でやっぱりやりたくないとなったら困りますし、好きだったら続けられますし、頑張れます。
森藤:自分の好きなことを時間をかけて見つけて、それに取り組んでいくことが重要ということですね。大学院では、個人でテーマを決めて個人で研究を進める事が多いので、自由にやりたい人には向いていると思います。家で作業したりとかも自由にやれるのは大きいですね。
小山:駒場生に向けてうちの学科についてコメントするとすれば、他にも情報工学系の学科はありますが、理学部情報科学科は理学と工学の両方をやるというのが特徴ですね。萩谷先生がよく言っていることなんですけど、現在、技術革新のスピードは加速度的にあがっていて、まさに激動の時代です。で、次々と新しくなっていく社会で生き残るためには、小手先の技術ではなく、理論を知らなくてはいけない。例えばどんなにHTML5のtipsを知っていても、数年後には意味が無いかもしれないし、そこで本当に役立つのは裏にある理論体系や数学であるということですね。
森藤:そういうところは何年たっても使われていきますからね。そういうのが学べるのが情報科学科の利点といえると思います。
アロンソ:情報科学なら趣味と研究が簡単に合わせられるところもいいですね。
森藤:なるほど、応用範囲が広いから興味のあるものが見つけやすいですね。