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学生による学科紹介

情報科学科生は自分たちのことを「Iser」と呼びます。
Iser はどんな日常を送っているのでしょうか? 授業は? 演習、実験は? 食生活は? アルバイトは?起床就寝時間は? 色々な人に色々な生活を語ってもらいました。

座談会(修士) 〜人それぞれ、時間の使い方・情報科学科の魅力〜  | 参加者: 五十嵐(M2, 17期)、渡辺(M2,17期)、吉羽(M2,17期)、遠藤(M1, 18期)、石井(M1,18期)、司会:中出(M2,17期)
1996年04月14日
はじめに
まだまだ研究はこれからっていう修士の1年2年生をあつめて、学生としての話を伺いました。
情報科学の学生ってどんな感じなのか?
ここに登場する皆さんの話から感じとってみてください。
普段の生活


司会:まず皆さんが普段どういう生活を送っているか聞いてみましょう。じゃ、遠藤君の生活は?
遠藤:11時に下宿で起きて、12時に学校に来て飯食って、6時位でバイトに行っちゃう事もあるし11時くらいまで仕事して下宿に帰ることもあるし。ハードモードは卒論の時で、時間は特に決まってなくて、朝学校で起きて、引き算すると18時間位研究するか飯食うかしてて、後は寝る。俺はこれで満足してるんですけどね。

司会: 石井君は?

石井:僕も卒論の時は結構泊まったりしましたけど、最近はヘルシーで、、、特に企業の人(注1)は朝9時には来ると。9時6時で。研究室自体が会社みたいで。学生はもうちょっと遅くて僕自身はゼミの直前とかは泊まったりしますけど。普通は午前中に研究室に来て大体7時位には帰ると。

吉羽: うちの学科の人って色々な生活パターン持ってるよね。10時にキチーッと来て定時に確実に帰る人もいれば、24時間どの時間帯にも同じ位に睡眠をとる不思議な人もいるよね。
さまざまな生活パターン
司会: 渡辺君は?

渡辺:私ですか。じゃあ、今日の1日。昨日12時に寝ました。今日は6時に起きました。それはバイトがあったからです。で、午後の授業があると思って学校に来てみたら開校記念日で休講だったりして、、、、、普通は終電で帰ります。で、ヘルシーじゃない時は昼前に学校に来てお弁当食べて、で端末に向かって色々して、で11時くらいになると研究室の中で○×に誘って頂いたりしまして、勝ったり負けたりなんかして終電を逃すと。で終電を逃すとしょうがないからニュースを読んだりプログラム書いたり。で、明るくなったら寝ますと。でまたお昼前に起きて、お弁当買って、続くと。以上っす。

石井: まあそれなりにリズムがあるっていうのはいいですね。

一同: (爆笑)

司会: じゃあM2のヘルシーの権化といわれている五十嵐君。模範を。

五十嵐: 3月に春休みでちょっと堕落して、学校に行くのが30分くらい遅くなった。

司会: その程度か(笑)。

五十嵐:通学時間100分。今日は、まず7時40分位に目覚しが鳴る。起きると8時10分位だったりする。で飯は10分で食ってしまって、大体9時頃家を出て、10時半位に着きます。で、研究室にはまだほとんど誰もいないと。で、いるかと思いきや前の晩から泊まっている人だったりすることが往々にしてある。でまあ午前中は大体メールとニュースを読んで終わると。ほんとは午前中誰もいない時に自分一人の仕事をするとはかどるんだろうが、最初はやっぱメールは読むよね。でニュースも何故か読んでしまって午前中が大体終わって、で午後からぼちぼち仕事しますかってこう始めると。で気がつくと6時半になってたりするので帰ると。ほとんど端末の前にへばりつきっぱなし。

石井: 仕事が終わんなくってちょっと6時半には帰れないってことはないんですか。

五十嵐: 7時半位まで延びることはあるけど、そしたらもうできなくてもいいから帰ってしまう。健康優先。

渡辺: ヘルシー過ぎる。

五十嵐: で、家帰ったら基本的に何もしない。

渡辺: あ、それ同感。家では絶対何もしない。

五十嵐: で、結構夜ってメールが多いから、家に帰って寝る前にメールをチェックして寝ると。

司会: 何時くらい?

五十嵐: 大体12時半位かな。

吉羽: 考えてみたら五十嵐の生活を全部4時間遅らせたらちょうど俺の生活になるな。
アルバイトとプロジェクト
渡辺: 変更なし?バイト等々でずれたりとか?

吉羽: この1年はやらなかった。4月頃WWWの仕事で1週間に4日間くらい泊まっててバイトできる状況じゃなかったから、そのまま。

司会: 皆さんってあんまりバイトしてないんですか?

石井: 僕全然やらない方なんですよ。時間拘束されちゃうのが、、、。

司会: 遠藤君は?

遠藤: 週に3回くらい泊まります。

五十嵐: あ、そっかそっかそっか。バイト先に泊まる人ですね。

司会: あ、プログラミングのバイトね。強い。渡辺君はやっぱ塾講(注2)?

渡辺: そうですね。僕は2つの所で塾講を。1つは専門学校のバイトだし、1つは小学生相手に算数を教えてる。

司会:僕なんかはちょこまかちょこまかいろんなバイトをやったけれども、去年までは某総研でデータ収集、編成みたいな事をやってて。これは割といいバイトだったんだけど、このプロジェクトを引き受けた時に、カチッとやめました。で今は代わりに上の先輩から引き継いだ塾講のバイトをやっております。で僕の普段の生活は最近がらりと変わってしまいました。変わる前は、まずうちで昼飯を食うのが目標だった。

一同: (笑)

司会: で、うちで昼飯が食いたい理由は昼飯代が浮くから。

渡辺: 学生らしいですね。

司会: だから以前の生活は、まず1時か1時半位に起きて「昼飯ー」っていうと親が出してくれる。で食べてウダウダしつつ学校に行くと4時か5時と。

五十嵐: その間の3時間位は..。君がそんなに通学時間が長かったなんて聞いたことないぞ。

司会: (笑)で学校に行ってニュースとメールをパラパラっと読んで買い出しとか行くと、あら6時だと。でその後にまあちょっと研究してみたりダベッていたりしてると、あら8時だと。

五十嵐: うん。

司会: じゃ、帰ろうと。

一同: おーっ。

五十嵐: 強烈だなあ。

司会: で家に9時頃帰ってちょっと遅めの飯を食うと、あらもう11時ねと。でチョコマカと適当なことやったり人に電話したりするとパーッと時間が経って、3時4時になっている。で、おやすみなさいと。 と、そんな感じの生活をしてた頃もあった。

渡辺: で、最近は?

司会:まず朝大体、6、7時に起きて、学校には8時頃には来ると。それで仕事を始めて午前中に人と事務打合せとかやって、で午後は他の人がいるから人と一緒に作業すると。研究室のプロジェクトがあったので共同でその仕事を進めて。でそれと同時にこのプロジェクトの仕事もあったので、そういう仕事をやっていくと、あっという間に11時とかになっている。それで今までは飯はウダウダ食べてたのが、飯が人との意見調整のミーティングの場と化した。で気がつくと11時回ってるからヤバイってメールとかババッと書いてくうちに12時位になって、ダッシュで終電に乗ると。

石井: 事業家のような。

司会: そういうとかっこいいですねえ。

五十嵐: で、1時頃帰ると。

司会:そうそう。で、明日こんなことやろうって大体決めて寝るのは2時か2時半。そうすると大体4、5時間しか寝れない。3月一杯はそういう生活してたけど、最近はもうちょっと楽になりました。あ、それで土日に睡眠を補給する。土日のどっちかに8時間位寝ると、補給終わり。で、また1週間ガーッと。そんな感じだったかな。この2つの両極端があまりにすごくて始めは体がブッ壊れるんじゃないかと思ったけど、慣れてしまった。でももっと徐々にブッ壊れてるのかも知れない。もうちょっとマトモな生活したいな。

五十嵐: 君の目指すマトモな生活とはなんぞや?

司会: いやあ、五十嵐君の生活はかなりマトモだと思いますよ。

五十嵐: 師と仰ぎなさい。

司会: 結局まとめるとやっぱり、各人各様のライフスタイルがあって、生活できるっていうことだよね。その辺がヤッパ時間がカチッと決まってる高校とか他の普通の学科とはとは明らかに違う。

五十嵐: でもさあ、ほんとに1時間もコアタイム(注3)ないと困ることあるよ。

司会: ま、そのために週に何回かミーティングがある。

五十嵐: そうなんだけどさ、あなたがここにいて欲しいとかいう時にいないことってかなりある。

吉羽: うちのコアタイムって4時から6時とかその辺だし。

五十嵐: 私の生活はどちらかというと少数派なもので。

司会: 人とオーバーラップする時間が少ない訳ね。

五十嵐: 確かにうちの研究室って、7時すぎがみんな全盛期だし。でもある程度コアタイムがあった方が...。

石井: ま、仕事ができればベストですよね。

司会: やっぱり結果を出すべく固有のライフスタイルを持って、日々仕事を進めていくっていうのが理想ですね。 ..........

情報科学科に来た理由
司会: じゃあ次に、皆さんなんでこの学科に来たんですか?

渡辺:僕、小中高大学とずっと剣道やってて、全然勉強とか研究とかに近寄ってなくて。で、せっかく大学まで来て何もやらないんじゃシャクやなあと。僕は都内の私学で、だから回りの人は就職する人が多かったけど、色々考えてヤッパここがいいかなあと。その時はかなりイメージで選んだ気がします。ま、先輩とかに話を聞くとかなり自由にやらせてくれそうなんで、ここにしようと決めたってのがありますね。外部から見た僕の目では、ここはみんなマイペースでやってるってのが非常にあって、生活スタイルもそうだし。研究に関しては研究室のカラーがあると思うけど。この学科で初めてガイダンスがあった時も、先生方がいちいち細かくアドバイスしてくれるというよりは、君達のやりたい様にやって下さいねっておっしゃって。みんなそれでも自主的にやってるし、できるから。僕も流される方だけど、みんながやってればなんとなくやれてるかなあと思いながらここまでやってきたから。やっぱり来て良かったなあと思いましたね。

司会: 五十嵐君は?

五十嵐: 俺、「どうしてここに来たの?」っていう質問は一番避けてたんだけど。...ずばり、消去法って奴ですね。物理は苦手でした。で、数学は好きだったんだけど、駒場に来て最初に解析の授業やった教官が強烈だったので、解析の授業は1回か2回しか出たことありません。でまあ数学はやめて。で、そうするともうほとんど行く所がなくなってしまった。

渡辺: 工学系に行かなかったっていうのは?

五十嵐: あのね、あまり実用的なことに興味がない...。

渡辺: そういうもの作りとかっていうのは魅力を感じなかった?

五十嵐: っていうか、それでもいいんだけど、他の理屈っぽいことをやりたいなあと思っていた。であとは、1、2年生の時の講義で論理学とか結構面白くてきいてた。でコンピュータもかじったことがないでもなかった。で、結局いつの間にかここに来ていた。

司会: 遠藤君は?

遠藤:中高生諸君のために説明しますと、東大つうのは2年までは学部が決まってないで、3年になる前に自分がどこの学科に行きたいか決める訳ですね。で、その選択というのは学科の実態を知らないままなされねばならないので、泣きを見る人も時々いるという進振りという制度なんですが、それはおいといて。...一人で話すのつらいっす。

石井: 適当な突っ込みを。

司会: それじゃ。..泣きを見たんですか?

一同: (爆笑)

遠藤:大した葛藤はなかったんですけど、他には物理とか数学とか考えてて。あと、当時の俺はやっぱ五十嵐さんと同じで理論の方が自分に向いてるに違いないと思って。高校時代、実験苦手だったし。まあそうすっと、何か数学、情報科学、物理って書類には並んでいて、でそん中から選ぼうかなって思うと真中の情報科学にしようかなと。ま、それは一因でしかないんですけど。

司会: じゃ割と前々から興味を持っていた所に結局はやはり順当に落ち着いたと。

遠藤: ま、割と順当にいってるに違いないと。

司会: 工学系で計算機を扱ってる所を選ばなかったのは?

遠藤: なんか最初に理学部にしようかなって勝手に決めちゃったんですね、当時の俺は。今なら工学部を選んでたかも知れないんですけど。まあ、そういう平凡な道を選んできた私です

司会: 石井君は?

石井:大学に入った時はあまり何も考えてなくて。で、理一ですから理学部か工学部がメジャーですが、工学部を選ばなかったのは中学高校の時からとくにメカをいじってた訳でもなくておとなしく勉強してるタイプで、なんとなく理学部を考えていて。で、情報科学を選んだのは、コンピュータは大学に入るまでほとんど触ったことはなかったんですが、ちょっと小さいプログラムを書いた時に「ああプログラムって簡単に組めるんだなあ」って思って、結構面白そうだという印象を抱いてなんとなく来てしまったという感じ。あと、萩谷先生が「科学朝日」に書かれていた記事があってなんとなく良く分かんないけど面白そうな世界だなあという印象もありましたし。自分では今の生活は悪くないと思っています。

司会: よしばくんは?

吉羽: 僕がこの学科選んだ理由ていうのは自分の意志とは関係なくて、将来自分にとって武器になるのは何かって考えて、それで決めてしまった。当時は生物の方が実際興味あったし、進路も変更直前まで生物に出してたんだけど、自分の興味を捨てて将来性をとろうと決めた。

司会: それでこの学科に来て3年間過ごしてみて?

吉羽: 結局でも入ってみれば楽しいなっていうのはどこ行ってもそうなんだろうっていう気もするけど。

司会: はまっちゃった?

吉羽: はまっちゃうし。はじめの頃はこの学科って独特だしやだかなって思ってたけど、結局ははまってた。

渡辺:でもここ、はまれるからいいよね。工学部だと嫌でも単位のためとか先生のためとかで結局やらなきゃいけないじゃない。好きでもない実験しなきゃいけないとかないし。あんまりそういう苦労はなさそう。少なくともここにいるメンバーはみんな楽しくやってるんだなあって思いますよ。そういう意味ではすごくいい所だなあと。


ガイダンスに惹かれて

渡辺: 中出さんは?

司会:ある出来事があって、それがなければここに来たかどうか分からない。僕がこの情報科学科を意識するようになった一番のきっかけは、自主ガイダンス(注4)なんです。まず理系に来た理由は、理系は文転できるけど文系は理転できないから。でお医者さんと弁護士さんは僕は興味がなかったのね。どうしてかというと、中高時代に僕のまわりにはその二つになりたいという人が一杯いたので、じゃ僕はやめようって(笑)。それで、後は生物系よりは理工系に興味があったので理一にしました。ちなみに理一に入った当初の進学先の第一希望は経済学部でした。で一年の時に数学科の自主ガイダンスに出た。数学科もかなり興味があったので。でガイダンスで話を聞いていたら、数学科の授業は100%数学ですっていうセリフを聞いて、「そりゃそうじゃん。やめたー」って。考えてみたら当たり前なんだけど、その時まで気づいていなかった。それでボオーッと座ってたらその直後の時間帯に同じ部屋で情報科学科の自主ガイダンスがあったのね。で、「はっ?情報科学って何じゃらほい」と思いながらもまあついでだから聞いてくかと。で、僕は1年生だったから2つ上の当時3年生の人たち(15期生) がやってて、その中に1人とてもパワフルな人がいた。で、情報科学科のことを説明してて、コンピュータのことが話に出てきた時点で「なあんだオタク集団じゃん」と思ったんだけど、目の前にいる人がどう見てもオタクじゃない。非常にパワフル。それで「情報科学科っていいなあ」っていうイメージが植えつけられた。僕はやっぱりその組織にいる人を意識するんで。他のガイダンスにもいくつかいったけど、そんな人はいなかった。で、経済学部がなぜ消えたかというと、一年の時に授業で経済学をとって、分からなかったから。(一同:爆笑)でも後日談ではどうもそれは先生が悪かったらしい。で、実際来てみて、最低限しか期待していなかったものが、例えばウィンドウシステムとか、E-MAILとか全然知らなかったのに来てみたら、非常に便利なことを知ってこれは絶対世の中に浸透するだろうって思った。だから来てから喜んだことは多かったね。ネットワーク化社会も来るのは20年くらい先だろうと思ってたら、1、2年で来てしまったし。

メッセージ

司会: じゃあ、中高生の皆さんにメッセージを。

五十嵐: 何をやるにしても自分のことを客観的に見られるようになると、いいことも悪いこともあると。悪いことっていうのは、のめり込んでいる自分を発見するとさめてしまうということ。 で、客観的に見られるといいこと。うーん、何だろう。

司会: 自分の今やってることの確証が得られる時もあるし、軌道修正するべきだと分かる時もある。それをのめり込んでいる方の自分にフィードバックできる。

五十嵐: それはあるかも知れない。そういう風にずっとしてきたから。後は、「時間は有効に使おう」。

渡辺: 深過ぎる。

五十嵐: 別に情報科学に来いなんていう気は全然ないので。ただ時間を無駄に過ごすのは本当に愚かしいので、別に何を考えていてもいいので。ぼおっとしてる時で自分がなぜぼおっとしているのか見ている自分がいるという訳で(笑)。

司会: そりゃ白けるわな。

五十嵐:そういう意味では自分はあまり時間を無駄に使ってない気がするから。その意味では自己マン(注5)なんですけど。今は笑い事にしてるけど、今しかやれないことって本当に存在するから、今しかやれないことを常に考えてそれをやるというのがいいんじゃないんでしょうか。ということで。

司会: 石井君は。

石井: 自分に向けて言ってる部分も多いんですけど、やろうかやるまいか迷った時にはやってみようと。僕自身もそれを目指したいと思っています。

司会: 遠藤君は。

遠藤: 自分で考えなさいと。で、迷ったら情報科学科に来たらいいんじゃないっていう感じですね。情報科学科を出た後、法律とかに行くのも必要だと思っているんですよ。

司会: それはどうして?

遠藤: なんでかっつうと、1つにはネットワーク関係の法律が全然ない。後、医療の方に詳しい人が出るといいと思ってて。プログラマーが作ったプログラムが人を殺すかも知れないから。だから法律とか医療とか、2つ以上の分野に詳しいことが絶対いいし、人の役に立ちそう。

司会: 2つの分野っていうのは例えば医療システムを病院とかに導入しようとした時に、医学しか知らなくてコンピュータはさっぱりという人と、コンピュータはOKだけど医療のことはさっぱりという人が仕事をするよりは、両方に精通した人がいれば、

遠藤: それがどういう立場の人かは分からないけれど、

司会: そういう人の方が絶対にいい物を作れるはずだということ?

遠藤: そう思います。

五十嵐: コンピュータの知識というよりは、なんか情報科学的な考え方ってあると思いません?そういうのって本当に全分野に効くことだと思うんだけど。抽象的に感じることなので、なかなか口ではまとめられないね。

石井: 情報科学的な考え方ですか?

五十嵐: うちで育たなかったらこういう考え方しないだろうなっていうような考え方。

吉羽: もうちょっと具体的にいって欲しいな。

遠藤: 例えばOS(6)設計できる人なら国一つ作れるかも知れないよね。全然違う話かも知れないけど。

司会: うーん、でも確かに言わんとしてる所は、、、

石井: でもマシンはやっぱり意志がないと思いませんか?かなりギャップが激しいような気がするんですが。あ、でもOSの教科書にはOSとはgovernmentであると書いてありました。

渡辺: で、中出さんの意見は?

司会: 僕も実は3年生の時にOSの勉強した時に、なんて人間的なんだと思った。コンテクストスイッチとか、、、

五十嵐: スケジューリングとか。

司会:そうそう。後、自分の所で処理するか周辺機器にやらせるかとかをスピードとか効率で決めていく所なんて、人間組織に似てるなって思った。だからOSの細かい部分じゃなくね。実際にOSが作れると言うよりはOSの原理がどうなってるかっていう3年生程度の知識だけど、人間的だなって思った。それって遠藤君の意見とはずれてるのかな?

遠藤: うーん。システムを作るっていうか、システムが作れるっていうことを知っている。

司会: 他に情報科学的な考え方っていうのは。

五十嵐: もしかしたらものを抽象化する能力が人より秀でやすい。例えば地下鉄をグラフに直して考えられるかとか、ただ点と線の集合であるようにみなせるかと。そういう考え方が実際ここに来て身に着いた。

司会:僕なんかは抽象化する所までは他の理系でもできるような気がするけど、うちって結構、抽象化は途中段階でそれに対してじゃあうまくやるにはどうするかっていう所まで行くから威力があるんじゃないの?だから今まで全然見なかった所に、あ、ここをこう変えればこういう風になるじゃんていうのが抽象化することによって分かるようになるんじゃないかなあ。

五十嵐: 今井先生の影響が大きいかも知れない。はっきりいって。

渡辺: 何についてもどういうシステムかなっていうのを気にするようになったって感じ。

五十嵐: そうそう、そういう感じ。私が言いたいのは。

遠藤: それはすごくありますね。

司会: 情報科学が一般に役に立つってよしば君がさっき言ってたのは、そういう面も含まれるの?

吉羽: 僕は考え方が根本的に違ってる。例えばOSが人間活動に似てるとは思わないし。情報科学がなんで役に立つのかっていうとコンピュータを使えるようになるから。そういう目に見えて役に立つこと。

司会: なるほど。僕と同じものが視野に入っているけど違うものを見てる訳ね。ま、同じもの見てたらつまんないよね。

渡辺: そういう所が情報科学科のいい所なんじゃないの。いろんな種類の人がいれるし。

五十嵐: 中高生に一言から思わぬ方向に話が進みましたが。 (一同:笑)

司会: どっちの見方も役に立つには変わりないと思うけどね。

渡辺: それを受け入れられるっていう器があるんじゃないの、ここでは。両方居られるっていう。

吉羽: 研究室のカラーも反映してると思うけどね。

渡辺: なんだか良く分からないけどはまってみたいものがあれば来ればいいし。ここって計算機から離れることはないから、そういうのが嫌いじゃなくてちょっとはまって見たいなあと思う人は是非いらして下さい。でも人づき合いも大事にしないとだめだけどね。

司会:中学時代にしても高校時代にしても、自分でほんとにやりたいと思ったものをはまってやれるとか、納得するまでやれるっていうのは絶対、その後どういくにしても役に立つと思うんだけどね。で、うちの学科はやっぱりある意味いろんな雑多な人々がいて、この雰囲気に馴染めれば結構はまって納得できるまでやれる種は色々転がってると思う。

五十嵐:俺は別に「人がこれやってるから俺もこれをやる」っていうのは全然悪いことじゃないと思うんだけど、ついてく時にちゃんと自分の意志が入っているかどうかってことを含んでるわけよ。俺はなぜついていくかということを一度そこで自分で考えて。だから別に自分で考えてっていうのは、独自の行動をしなさいとかそういう意味ではない。

司会: 考えてないとつまずいた時に辛いし。

渡辺: そうだよね。

司会: じゃ、色々議論出てきましたけれども、やっぱり何か一つ自分で納得できるまでやれることを求めている人で、まあ今はやりだからっていういい方もできるけど、このコンピュータサイエンスの世界で過ごしてみたいと思うならば、是非うちの学科に来て下さい。

渡辺: 別にコンピュータサイエンス自体にとらわれることはなくて、今の段階で全然知識がない人だって来れる場所ではあるしね。

司会: 皆さん、本日は長い時間どうもありがとうございました。

脚注
(注1)企業の人:研究室によっては企業から派遣されている研究者と共同で研究を進めるケースがある。高木研もその1つ。

(注2)塾講:塾の講師

(注3)コアタイム:フレックスタイム制度(最低勤務時間さえ守れば出勤時間と退社時間を各個人が決められる制度)において、全員が必ずいなければならない時間帯。

(注4)自主ガイダンス:東大では3年生から専門課程の学科が決まるので、各学科の学生が自主的にパンフレット等を作成し1、2年生に自分たちの学科をアピールする制度がある。教官が公に行うガイダンスに対して学生が自主的に実行することから、これを自主ガイダンスという。

(注5)自己マン:自己満足のこと

(注6)OS:コンピュータを動かすためのベースになるソフトウェア。