今井研究室 助手さんアンケート


回答者:浅井健一助手

Q 現在、どのような研究をなさっていらっしゃるのですか?

ぼくは、研究室の中ではちょっと特殊で、プログラム言語、なかでもプログラ ムの部分評価という手法について研究を行っています。これは、プログラム変 換のひとつで、プログラムと引数の一部を受け取って、その既知の引数に関す る計算を先に行なってしまうことで、もとのプログラムより効率的なプログラ ムを得る、というものです。研究室はアルゴリズムの研究が中心なので、この 研究はひとりで独立してやっています。

Q 研究室で行われているプロジェクトについて教えて下さい。

今井研は複数人でプロジェクトを組んで何かをする、というよりは、各個人が それぞれ好きなことを(自分のプロジェクトとして)行なっている、という感 じなので、研究室の人数分だけプロジェクトがあります。最近では、ゲノム情 報処理、最短路問題、近傍探索、データの圧縮、3角形分割、素因数分解など でしょうか。

ゲノム情報処理では、DNA の配列から実際に意味のある部分を抽出する方法や、 多数の DNA 配列の間のマッチングのとり方などを研究しています。これらは、 生物学的な応用を考えるとともに、情報科学の見地から最短路問題や近傍検索 といった問題としてもとらえて研究を行なっています。

また、データの圧縮では、インターネット上で大量のデータがやりとりされて いるのをふまえて、圧縮率の改善や圧縮速度の改善など幅広く研究を行ない、 その理論的根拠を明らかにするとともに、実際にソフトウェアを開発し種々の 実験も行なっています。

Q 所属していらっしゃる研究室ならではの特徴がありましたら、教えて下さい。

一言でいえば、各個人が独立している、ということでしょう。大雑把に言えば みな、アルゴリズムとその理論的背景に興味を持って研究をしているわけです が、一言にアルゴリズム、といってもいろいろです。今井研では、その広い分 野の中から各個人が興味を持っているところについて、それぞれ研究を行なっ ています。

ここで誤解しないで欲しいことは、各個人が独立して研究している、というの は、それぞれの間で交流がないということではない、ということです。むしろ 実態はその逆で、各個人が独立して研究しているテーマが思わぬところで有機 的に別のテーマとつながり、さらに研究が先に進む、ということが、頻繁にお きています。ゼミでは主に自分の研究テーマについて話すわけですが、聴衆の 方はそれぞれが別の角度から意見を述べるので、さながら各分野の専門家たち が集まって議論している、といった雰囲気になります。

また、今井研の特徴として忘れられがちなこととして、応用を非常に強く意識 して研究をしている、ということがあげられます。理論的な研究というのはよ くわからない難しいことをやっている、という風に思われがちですが、今井研 で研究しているテーマは、いずれも実際に解きたい問題、実際に社会で求めら れている問題が目の前にあります。その問題の構造を明らかにし、解決するア ルゴリズムを与え、さらにその理論的構造を理解する、というのが、研究室で 行なっていることです。そういう意味では、非常に実用に近いところに位置し ている研究室ということができるかも知れません。

Q 研究室を目指す学生にひとことお願い致します。

自分の目指す分野に対して何か新しい貢献をする、という視点でものごとをと らえて欲しいと思います。そのためには、まず、どうしてそれが重要かという 動機が必要です。また、新しい、ということを言うためには、過去にどのよう な研究がなされてきたかを把握する必要があります。その上で、自分の研究を 行なっていくことになります。研究では、自分の研究をするところだけが重要 なように思えるかも知れませんが、実はその後ろにあるものも同じように重要 で、学部での授業はそれを学ぶものとなっています。

Q 情報社会についてひとことお願い致します。

最近はコンピュータも普及し、情報があふれていますが、それにおぼれないで 欲しいと思います。あくまでコンピュータは我々の生活をより良くするための 道具であって、コンピュータに使われることのないようしっかり自分を見つめ て欲しいと思います。

 

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Last updated on 29 May, 1999