じゃぁ研究という立場では、コンピュータ・グラフィックスにどういうのが あるんかということを少し、その前にもう少し応用例ということを先に済ませましょう。

これは先週も表示しましたが、この CAD 工業製品のタイヤの設計、車の設計、 電化製品の設計に使いましょうとか、照明計算の予測に使いましょうとか、 色々あったですね。

こういう景観がどういう風になるか。これはコンピュータで作ったホテルですね。こういうのがホテルが建つと、景観がどのように変わるのでしょう。 これはある電力設備ですね。これは具体的に東京電力が関係されて、私どもが実際にプログラム開発したのですが、ある電力設備が出来るとどのように見えるかとかね。これは実際に現地に行かなくてですね、航空写真と地図だけしか 我々はもらわなくて、これくらいの絵は出せるんですね。

現地まで行くのは大変です。だから、東京にいながらにして、ある地区にいろんな設備が出来たらどのようになるかとかね。えぇこれも前回少し言いましたが、大阪のある地区の公園を設計するのに、どんなふうの木を植えたらよいかとか、どんなふうな風景であるかとか、これも大阪のある地区ですね。 その実際のデータです。あるいはこの自然景観の色々な光学的な効果を色々シュミレーションしましょうなど、数多く例があります。

[西田先生1] それで、まぁそういった例はありますが、我々は今から勉強してどんな研究テーマがあって、どんな応用があって、まぁ応用は先程話したからこれは飛ばしまして、どんなキーワードを今から勉強していくかというのを、今日の時点ではわからなくてもいいですが、隠れ面消去、シェーディング、 レイトレーシング、ラジオシティ法、ボリュームレンダリング、 テクスチャマッピング、アンチエリアシング、フラクタルといったようなこと を勉強していきますね。

えぇということですが、こういったものが研究テーマのひとつである訳です。 あるいは多次元データの可視化、人間に関するコンピュータ・グラフィックスで人体とか顔とかを表現しようとする、自然物のCGというのは山とか海とか色々な自然現象がありますが、それをコンピュータを使ってシュミレーションするかと。植物のCG、GrowthModel とありますが、あるアルゴリズムで自動的に植物が成長していく様子を計算機で表示しようとかね。

キャラクターアニメーション、これまぁいわゆるアニメと呼ばれている分野ですね。パーティクルシステム、自由形状変形、標準化の問題、 ユーザーインターフェース、ステレオグラフィックス。

まぁこういった色々なキーワードが研究テーマとしてあげられます。 で、こういったことについて今から勉強していく訳ですね。応用として先程 なかったものとして、マルチメディア、バーチャルリアリティといったものも コンピュータ・グラフィックスの重要な応用分野ですね。

といったことで、比較的最近の技術なんですね。コンピュータ・グラフィックス というのは30年の歴史を持ってます。30年が最近なんかといわれると、数学や物理は何年あるかというと100年、200年どころかずいぶん長い歴史を持ってますね。コンピュータ・グラフィックスというのは生まれて30年の歴史しかたってません。で、しかも、みんなが今日こうやって勉強しているような形でちゃんとした講義として受けれるのもまだほんの10年も歴史がありません。

ということで、比較的新しい研究分野でありますし、研究だけでなくこうやって学ぶのも比較的新しい分野ですね。 で、新しい分野だけど、前回も言いました様に、専門学校等も含めますと、 コンピュータ・グラフィックス学科とかいうんで、ずいぶんの人達が コンピュータ・グラフィックスを勉強する時代に突入した訳ですね。

俗にクリエーターといわれるマルチメディア産業で生きる人達、そういうCGアーティストとかいった新しい職業が生まれている分野ですね。 そして、コンピュータ・グラフィックスはどんなものを対象として表示しようとするか、先程との関係がありますが、機器、機器と言ってもの電気製品を始め 色々なものがありますが、その設計結果、建物、分子モデル、自動車、木とか山とか雲とか霧とか人体とか、そういったものも対象に表示しようとします。 そして、コンピュータ・グラフィックスは大きく分けて、3つの分野に分けられます。

1つは、もうこれちょっとかすれて読めませんが、Geometric Modelling といいまして、これを幾何モデルといいます。これは、データの形を作るにはどんなふうにしたらいいんかということを勉強する分野ね。 これを Geometric Modelling といいます。

それに対して、その形、例えば机を例にしますと、机という形はどのようにしてデータを入れるか、あるいはデータ構造をどのようにするかといった問題があります。

それを今度は如何にリアルに書くかというのを、Shading Model といいます。 これを陰影付けモデルと言いますが、これはこういうふうに光源がありますので、あるいはこの机なら机はこういう材料でできてますとか、だからこれは白く見えるんですよとか、えぇこの机の下の方には影がありますとかいった、 そういう光の効果を計算してリアルに表現するモデルの事を Shading Model といいます。

そして、それを最後にアニメーションにして動かすという技術があって、 この3つの分野に分かれて、コンピュータ・グラフィックス関連の研究者達はえぇどれかまぁ全部やる研究者もあるし、俺は形を作る所だけに興味あるんだといってそこだけ研究する人もあるし、まぁいろんな分野があります。

いずれにしてもこの3つがある訳で、えぇそれを流れでいいますと、 コンピュータ・グラフィックスの全体を把握するのにこれが一番適しているかもしれませんが、えぇ、この授業で主たるテーマはですねぇ、3次元CGということね。単なる絵を描かせましょうとかですね、えぇ、2次元の絵を描かせましょうとかいうレベルを勉強するんではなくて、3次元物体を如何にリアルに描かすかということを勉強してきますね。それがこの講義の一番の中心です。

で、本物、実存するものを如何にリアルに表現するだけでは君らに決して役立つ訳ではないんですね。えぇ、何か計算した結果をデータが膨大なので、それをコンピュータ・グラフィックスの力を借りて可視化しようということまで考えると、君らが、研究者を目指してる人達が多いでしょうが、 研究したなんかの結果をわかり安い形で可視化しようという場面は、近年そのプレゼンテーションという場面はより重要視されていますので、如何にわかりやすく3次元的、あるいはもっと次元の多次元のものを如何にわかりやすく表示しようかというのも、重要ですね。

そこでも、コンピュータ・グラフィックスは重要なツールとして生きてきます。 だから、コンピュータ・グラフィックスそのものがメインの研究をする人達もいるかもしれませんが、コンピュータ・グラフィックスという道具をね、君らが何かを研究した成果を、えぇ、そのみんなにわかりやすくするために、 コンピュータ・グラフィックスの技術を借りてやりましょうという道具として使う人達もいます。

いずれにしても、まぁ近年では道具として使う事までも含めると、 コンピュータ・グラフィックスが重要化されている訳ね。 それで、じゃぁどうゆうふうな流れで実現するかというと、まず形を入れる作業、先程言いましたね、形状モデル、これを Geometric Model といいます。 で、これをやる作業の事を Geometric Modelling という訳ですね。 で、形が入ると、それを座標変換します。その座標変換とは、3次元のデータがある訳ですが、これをテレビのスクリーンいうんか、計算機のモニター上に2次元的に表現する訳ですから、3次元のものを2次元に座標変換をしなくてはなりません。しかも、それが任意の位置から見て、あるいは遠近感もついていなくてはなりませんね。

遠近感というのは、例えば、近くのものが大きくて、遠くのものが小さくなるから、遠近感があるわけね。だから、2次元上の画面かもしれないけど、 3次元な迫力のある、臨場感のある画像を表現するわけね。この手助けをするのが、この座標変換ですね。そして次に、隠れ面消去というのが必要です。 これは後で言います。

あぁまぁじゃぁでも先に、隠れ面消去とは何か。 えぇここに、ティーポットがあります。で、ティーポットのデータは例えばこのような形で入ってます。制御点と言われるものの繋がりで入っているのですが、これをワイヤーフレーム表示、これもまた後から言いますが、こういう表示方法をワイヤーフレーム表示という、で、これで向こうの線まで全て描いてあるからこれではわかりにくいというので、本来見えないはずの線を消して描く技術、これを隠れ線消去といいます。

そしてこれに陰影表示を付けるのを、陰影表示といいます。で、これは線で描いてあるから隠れ線消去といいますが、面で色を付けて描いてある場合はこれを隠れ面消去といいます。 そういったのを隠れ線消去あるいは隠れ面消去というのですが、えぇ、その処理を施す訳ですね。で、最後に、シェーディングといって濃淡を付けます。 まぁ先ほどのもので言いますと、えぇ影を付けたり、このあたりが明るいなとか、そういった情報を計算することをシェーディングといいます。

[potcup_S.jpg] で、最後にディスプレイ表示します。こういった過程を踏む訳ですね。 で、1個1個学ぶだけで、形状モデルだけで2時間くらいかかりますからね。 ちょうどこの流れがちょうど教科書の1章とか2章分くらいのずつに匹敵して、 3次元CGを実現するという理論を勉強するだけでこの大半を費やしてしまうくらい、まぁ1つ1つはいろんな技術の体系があります。

だからこの流れは何度も OHP を使って、今日はこれを勉強しますとかいうふうにおさらいしながら勉強していくわけですね。 この流れをちゃんと実現する為のテクニックを色々勉強していく訳です。 えぇ、もう少しこの隠れ線消去に付いて少し補足しますと、これはもう十分古い絵ですがこれとこれとこれは、隠れ線消去が、意識されている。 で、見る位置が変わっています、ね。

えぇ、これは変圧器、を表示したものです。
で、こちらはそういうLSIとかそういうものね、ICとかいったものを表示したものですが、これずいぶんあのー画質も悪いですが、 これはもう20年くらい前に書いたものですから、ちょっと悪い例ですが。

えぇなぜこんな例を出すかと言いますと、えぇ私は以前はですね、 えぇ電気機器、工、電気機器研究室というところに属してて、 モーターとか変圧器の設計方法を教える研究室だったのがなん、 なぜか計算機のコンピュータグラフィックスの先生になっている、 ということですが、実はですね、えぇ20年も30年も前はですね! コンピュータグラフィックスの研究室という看板を上げられなかったんですね。えぇ、計算機で絵描くのが研究か、 とかとかいう非難がある時代もあったわけで!ですから一応、 看板は、電気機器とかもう、こんなのをやってるふりして実際はコンピュータグラフィックスの研究をしていたという、経緯がありましたんで、ちょっと話はそれますが。

まあ、あるいはこういう風にあのー見えない線を表示してね。
このよくティーポットが出ますね? この……あ、すみません。 (事務の方がプリントを持って登場)

じゃ、少し……。
えぇと、どうしようか、えーと、配っておきましょうか。
じゃ、ちょっとこれ後ろに回すから、えーとこちらですね、 資料を適当に取って下さいね。(先生資料を配る)
あ、破れた。(先生が配ろうとしたプリントが破れた)
(プリントが学生の間を回る)
えぇ2種類ありますから。あららららら……ちょっと残しておかないと。
えーと後から配る方……えっとちょっと待って下さい。えーと。
あらら、また破れた。(また先生が配ろうとしたプリントが破れた)
何をしてるんでしょうね、これ、持つところが悪い。はい、はい。 (と学生に回す)
(プリントが学生の間を回る)

えーと、今関係あるのは、えぇ「コンピュータグラフィックスとは」 というのが書いてある方が最初の方になりますからね!
えぇ。
で。
この27ページの右下に、えぇ座標のモデリングとか座標変換・レンダリング・アニメーションとか書いてある、えぇこういう風な分類もありますがね。えぇまあ表現の仕方で色々。えぇ私はこういう風に表現しましたが、えぇ、27ページのようにえぇ座標の設定とかからモデリングうんぬんという表現もあります。

えぇ、ま、まずは、OHP中心でいきます。えぇこの、この教科書の方もあと、あと立ち戻りますが、とりあえずは、えぇ話を続行します。
えぇ、なぜティーポットか、という話をしてえぇ資料が来たんで話がそれましたね。
ティーポット、がこちらにもありますが、えぇこちらのティーポットと、 こっちのここにもティーポットがありますがね。

えぇ、ちょっとこちらのティーポットのように、例えばこれが隠れ線消去した場合の線だけで描かれたものですね。で、こちらが陰影までつけたものね。影がついて、映り込みとか、色々濃淡がついています。いいですか、コンピュータグラフィックスという中で、隠れ線消去・隠れ面消去というのが一つのテーマですよというところを今説明をしている、ことになりますね。で、ま、なぜ必要かというのはこの絵を見れば歴然と分かるですが。なぜティーポットがこうよく出てくるかというエピソードはですね。

えぇユタ大学が、コンピュータグラフィックスのメッカと 言われてるんですね、アメリカの。で、そこで、最初にあの、 ま、代表的な論文がこのティーポットを題材に、えぇ表示した例を発表しました。で、これはこのユタ大学のコンピュータグラフィックス関連の研究室に、何気なく転がってたティーポットをですね、 データを測定して、それをあのー分析あのー表示したんですが、 それでその後、そのティーポットデータをみんなに公開したわけね。

そうすとそれ以後は、えぇみんな論文を書くごとにこのティーポットを材料に。なぜ、なぜかというと同じ材料でないと俺のが速いよとか 俺のがすばらしいよというのに比較検討できませんので、 同じティーポットのデータを俺の、を、俺の手法ですとえぇ1分 かかるけど、えぇ従来の方法だと1時間かかったとかね!

そういう風に比較しないといけませんので、えぇこのティーポットというのが、えぇたくさん出てきます。で画像処理の分野ですと、 女の人の絵がどこいってもあるのはあの「ガール」という画像データベースがありますがそいつは今のと同じで、 えぇコンピュータグラフィックスの分野では、このティーポットがよくよくあのーみんなの目に触れることだと思います。

で、えぇこれは、今本物のティーポットは、あのーボストンの計算機博物館に飾ってあって(学生笑)、で、その隣にCGで作った作品が何例もあって、そういうことで、私もえぇわざわざそこ行って隣に行って写真撮ってきたとか。えぇCGの研究者の、えぇ崇拝するそのティーポットですから(学生笑)、えぇといういわくつきのティーポットです、ね。

さあ、そして、えぇ次に行きますと……。
ませっかく配ったんだから配ったやつの話を少し、少し触れとかな。
えぇと今、えぇ配った資料で26ページに、ですね、26ページに2次元と3次元のCGに分けられますよというので、図1の1が左が2次元で右が3次元で。まこんなことは説明するまでもないんで、えぇ のけておきまして、 あのー説明を省略しまして、その27ページに、3次元CGについて 触れてありますね。座標系の設定・モデリング・座標変換・レンダリングとあります。

そして今、モデリングとレンダリングという言葉が出ましたんで それは補足しときます。まず、モデリングというのが、 この形状データの入力問題の話しましたね。そして、その実は その残り3つの部分をレンダリングと俗に言います。いいですか? あのこの教科書では2、3、4と4レンダリングを別に書いてありますが、えぇ、ま別に分類する方法もありますが。

あの「レンダー」と言ったら「描画」という意味ね、日本語にするとね。 表示する。で、表示する、部分の専門のプログラムを 「レンダラー」と言います。モデルを作る専門のプログラムを 「モデラー」と言います。で、市販のコンピュータグラフィックスのプログラムは、すべてが一つのプログラムでできるのもありますが、 これはデータを作るのが専門よというモデラーと言われるのと これは表示が得意よと言われるレンダラーと、いう風に、 2つに分けて考えることがよくあるんですね。データを作るならこのプログラムが適してるよ、でも、表示するにはこちらが適してるよ、 とかね、ゆう風に分かれてる、あのーものが、あります。

そういう意味で、モデリングとレンダリングというのが、 この、あのー分けられる、一つの要因ですね。商業用のシステムが、 えぇそういう風に分かれているという、のも関連して、 モデルを作る部分と表示する部分とでよく分ける、のがあります。
いいですか、ですからレンダリングという言葉もコンピュータ グラフィックスのえぇ分野ではしょっちゅう出てきますが、 要するに表示するためのプログラムをレンダラーと、まそういう、 それに必要な技術をレンダリング、そういう作業をレンダリングと言いますね。

おしまい


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Last updated on 6 May, 1999