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研究分野 -- 数値解析、並列数値処理、
スーパーコンピューティング

本研究室の基調は上記の通りであるが、研究の方向は常に参加する学生・ 院生諸君と共に模索し考え作っていく研究室でありたいと思う。

数値処理はそもそもコンピュータの出現を促した原動力であり、以来 その性能向上を絶えず要求し続けてきた。半導体素子は予想を越える進歩を 遂げているが、数値処理に必要とされる桁違いの性能向上を実現するためには、 広義の並列処理は必要条件である。従来の数値計算法は、von Neumann アーキテクチャを暗黙の前提として研究されてきたので、アーキテクチャを 意識する必要がなかった。しかし、並列数値処理においては、数値計算 algorithm は計算機の architecture と密接に関連し、さらには応用(application) 自体に立ち戻って再検討する必要さえある。この3つの A の相互関係が重要な 研究課題である。

現在研究室でもっとも力をいれているのが 1994 年に学科に導入された並列 計算機 AP-1000 を主に用いた場モデルによる超並列数値シミュレーションの アルゴリズムの研究である。なかでも応用上重要性の高い熱流体現象が中心課題 であるが、素粒子物理から生物学的人工生命まで、あらゆる現象の大規模超並列 シミュレーションを研究対象としている。また、並列処理記述言語や マッピング/スケジューリング手法などの、役に立たないきれいごとではない、 現実の問題やアルゴリズムに即したもろもろの並列化技術の確立が緊急かつ必須の 課題である。これらの山積している challenging な課題に取り組むことのできる 幅広い興味と意欲のある諸君の参加を期待する。

このような実践的研究の一方で数値解析の理論的研究も進めている。もっとも 基本的な誤差解析や離散化手法の研究から、各種のアルゴリズム(連立一次方程式、 最小自乗問題、最適化問題のための各種の反復法、固有値問題の解法、乱数の生成 とモンテカルロ法、数値積分、確立微分方程式の数値解法など)について、その 速度性能、精度や数値的安定性、適用範囲の広さなどを数学理論的/数値実験的に 研究している。特に最近注目されているマルチグリッド法を前処理に用いた 共役勾配法(MGCG法)の解析と、離散的アルゴリズムや最適化にも応用されて 重要性の高い疑似乱数の性質と応用の研究に力を入れている。

現在のところ、助手のほか大学院生 10 名の小規模な研究室ではあるが、学生・ 院生の研究テーマを制限することなく、アーキテクチャや言語処理系から 超電導論理素子や人工生命まで、自由な興味に基づく自由な研究を積極的に支援 することではどこの研究室にも負けないつもりである。他の研究室、他学科などの セミナーにも自由に参加していただきたい。幅広い興味と意欲のある学生の参加を 期待する。

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