=== 1999年4月14日 10:15 --- 理学部7号館 214教室にて ===

テキストを使って。だいたいテキストにそってやりますので、メモしてください。 あの、ちょっとね、こんな分厚いので、大変だと思うんですけれど、 まぁこれ一冊読んでくださればだいたい、あの、授業はいいので。

僕はあんまりあの、こう言っちゃなんなんだけど、OSのことを、 よくもう分かんないんですよね。

あの、ただ、大学院の学生の人に言わせると、この部分はまだ先生 分かってますよって言うんですけど、自分では最近、もうあの、 なんていうのかしら、僕らがコンピュータを、まあ、 これでも第一線でやってたことがかなりあるんですが、それは、 いわゆる汎用コンピュータって言って。

汎用大型コンピュータって見た事ある人、いますか、ちょっと手を 挙げてみてくれます?汎用機っていうの。

知らない?

皆さんは、もう、あの、机の上にあるこういう小っさいコンピュータが、 あれがコンピュータの全てだと思って(いるんでしょうけど)、 世の中には今でもすごい大きいコンピュータがあるんですよね。
ま、ここの学科にも小さいコンピュータがたくさんあって、 超並列コンピュータっていうのがありますけれども、いわゆる 汎用大型計算機っていうのが東大にもあって。

あの、むこうの、大型計算機センター、今年からえっと基盤情報センター っていう風に変わりましたけれども、あの、そういうコンピュータがある。
で、それが、まあ、それがいわゆる昔からのコンピュータの、あの、 正統派って言うか、その、ずーっとそういう路線でコンピュータって いうのは発展して来て。

僕らが第一線で、僕なんかが第一線で仕事をやっていた時は、 いわゆる今の様な、ミニコンっていうのがありますけれども、 それはまた、今のワークステーションなんかとはかなり違ったものなんですが、 いわゆる汎用大型コンピュータの一番当時として大きな、 研究開発を若いころずっとやっていて。

で、それで当時はですね、コンピュータって言うのは大きくして 高速にすればするほどコストパフォーマンスがいいっていう一つの原理が ありまして。

ま、そういう風に値段つけをあえてしたのかもしれないけれども、 スピードをアップすればするほど、その、それに比例して計算が たくさんできる訳ですけど、コストはそんなに上がらないという。
だからスピードを上げてコンピュータを大型にすればするほど コストパフォーマンスがいいんだって言う、あの、事があって、 大型機、それで、また超大型コンピュータであればあるほど新しい 技術の開発が、できる訳ですから、あの、大型機が常に一種の先導 役を務めていた、訳です。

であの、僕なんかは若い頃からそういうコンピュータのソフトウェア、 OSの研究開発をずっとしていて、で、ただ、あの、最初、分からないって 言いましたけれども、そういう技術がいまのワークステーションとか パソコンとかいうのに、完全にシフトしてきていているんですね。
でもところが、あの、OSのいわゆる中心部分、あの、ユーザの面から あまり見えないカーネル部分では、あの、本当にその汎用機のOSの技術と それから、今のワークステーション、特に最近のワークステーションって 非常に高級なのですから、その、あの、技術、カーネル部分では、 基本的には、ほとんど変わっていない。

と、思うんですが、ユーザインターフェースあたりになると非常に違う訳ですね。
汎用大型コンピュータとそれから、あの、一人一人が自分で占有して 使うコンピュータ。

で、あの、僕はいけないんですけれど、いわゆるダウンサイジングっていうか、 汎用大型コンピュータ路線が一方にあって、あの、今のワークステーション、 そういうのが、ワークステーションの前にはスーパーミニコンピュータ、 っていうのがありましたよね。あの、そういう流れからこう ワークステーションは出てきた。
そこらへんから下の流れを、に関して、自分で技術をきちっとフォローする っていうことが、一つは、あの、年齢的に、それからもう一つは、まあ、 それ以外の雑務が色々増えて、まあこういう業界で第一線で自分で プログラムを組んだりコンピュータ使ったりしてする仕事ができるのは、 あの、本当に第一線でやっているのはなかなか大変で、ある所から、 その、下のほうの、ダウンサイジングの路線から自分自身が離れて しまったんですよね。

だからユーザインターフェースが、最近のそのへんが、ちょっと自分 では余り使っていないから余り分かっていない。
で、ただ、この授業では、まあ、OSのいわゆるカーネル部っていうか、 あの、まあ、情報科学科の学生の方々だから。
OSのユーザインターフェースよりも、まあ一般にオペレーティングシステムの そういうテキストっていうのは、OSのカーネル部だっていうことがあって。
そういう技術はさっき言ったように、昔も今もほとんど変わっていない。
っていうかまぁむしろ汎用大型機の技術のほうが技術的には、 その時間的にも先に開発されましたし、それから、あの、 そういう高度な技術が使われていることが多いです。

で、そういう、大型機の技術に関しては、あの、 僕らは自分で実際に。
それは逆に、あの、こういう普通の大学の先生でOSを教えて いらっしゃる方よりも、僕なんかは、ずっと自身を持って教えられる。
っていうか、それはなぜかっていうと、あの、大学の先生でOSを教えていても、 実際に自分でOSを作ったことある人っていうのは、ほとんどいないんですね。
あの、感覚的に教えて、理解して教えていらっしゃるだけなんですけれども、 OSなんていうのは非常にやっぱりこう、プラクティカルな側面がありまして、 割り込み処理プログラムをどう書くかとかその辺も非常に(プラクティカルで)、 そういうことから始まって、多重プログラミングどうやって具体的に インプリメント(するか)、どういうことが問題であるか、 そういうの頭で考えただけでは、なかなか理解ができない。

僕なんかは若い頃やっぱり十数年間、本当の、あの、OSの開発、 研究開発にメーカーで携わっていましたので、そういう意味ではあの、 自分で本当にOSを作った経験があるから、あの、自身を持って教える事が できるっていう事ですけれど。
その後もずーっと新しい技術をフォローしていればよかったんですが、 そこが、あの、できていないので。
あの、やっぱり本当は、あの、一番、こういう所でしゃべる時も、OSの カーネルはこうですよって言うよりも、一番のユーザインターフェースから 入ってOSのどんどん中に入っていくっていう事の方が、皆さんがたにとっては、 あの、あるいは分かりやすいかもしれない、けれども、その辺は多少、あの、 我慢して頂かないといけないことが。

ただ、あの、ここにいらっしゃる方々はえっと、OSに関してもなんでしたっけ、 演習とか実習っていうのはかなりきついのがあって、 今僕の助手をしてくれている河野さん、あの、駒場の4学期でも何度か 西村君といっしょに顔出してくれたと思いますけど、河野君が非常に 厳しい演習をはりきって用意してますので。
あの、そちらで十分コンピュータを使って、あの、ユーザインターフェース から入って、例えばおそらく色々なシステムコールを使ってうんぬんなんて いうことをやってくれると思いますので。
あの、両方合わせると非常にいいと思いますし、それから、最近の、 そういう、あの、技術動向でも僕自身がちょっと自分で弱いなって 思うようなところは、さっきの河野君とかに話をしてもらおうと思ってます。

で、この授業はですね、僕とそれからもう一人清水君っていうのと二人の 名前になってますよね。
で、いずれ清水君が顔を出してくると思います。
で、清水君はえっと、僕よりもずっとOSの専門家。
っていうか、ずっと年も若い。えっと、まだ30代、かしら、ね。

で、今はですね、今日本当は一緒に名前、授業の後ろの方を清水さんにも 担当してもらうので、あの、今年はできたら清水さんに全部担当してもら おうかなと思って、たんですけど、昨日やってきて、やっぱりちょっと全部は 担当したくありませんのでよろしくお願いします、と言われたので、後ろの方に なったら清水さんが来ると思います。

で、あの、清水さんの紹介をちょっとしておくと、あの、まず、 僕と非常に仲がいい、と。こちらはそう思ってて、まあ向こうはどう思って いるか知らないけれど。
で、ここの学科を出たひとで、ここの学科の大学院のドクターを出て、 で、えっと、大学院のころはコンピュータのアーキテクチャをむしろやって ますね。
なによりも、あんまりそういうことを言っちゃいけないんだけど、 非常に優秀な人です。
あんまり、こう、なんて言うのかしら、あの、激しく目立つという感じの人 ではないけれども。

まずなにが優秀かと言うと、駒場から本郷への進振りの時に、あの、理Iで 一番だったんですね、えっと、93.いくつとか。
今だいぶ甘くなっているかもしれないけれども。
あの頃っていうのはもう、非常に大変な点数。
それくらい秀才、です。

それで、ここでドクターを出てから、大型センター、計算機センターの助手を ちょっとしていて、で、ここに、昔ですね、もう皆さん多分ご存知ないかも しれないけど、あの、僕よりもずっと優れたOSの専門家で前川さんっていう 先生がいらっしゃるんですね。
えっと、今電通大の先生をされていますけど、あの、前川さんの所の助手を 数年間清水さんはやって、で、そのころ、あの、前川研でギャラクシーっていう オペレーティングシステムをやっていて、それの取りまとめをしたのが清水さん。
その後清水さんは、あの、電通大に行って、向こうで助教授をずっとやっていました。

そしてつい数年前まであの電通大で助教授をやって、で、さっき言った様に まだ30代だから本当の中堅で、日本のそういう、あの、 システムソフトっていうか、OSの中心人物だったんですけれども、 OSっていうのは、ですね、あのー、ただ頭がいいだけじゃだめなんですね。
非常になんていうのかしら、こう、一つの、なんていうのかなこういうのは。
コンセプトなのでそういう、あの、非常に、人にアピールする力とか、 あの、新しいコンセプトを考える能力とか、あの、そういう能力が非常にある人、 なんかのほうがむしろ力を発揮、できる訳です。

だから、えっと、それも皆さんがた、あるいはご存知ないかしら、今あの、 うちの学科に関係している人で、坂村健さんなんていう人がいて、あの、坂村さん トロンなんていうのなさっていて、坂村さんがそういう意味では非常に個性の 強い人ですよね。あの、新しいコンセプトを作り上げる能力が非常に優れている。
で、清水さんは、むしろ、そういう能力は、そう言っちゃしかられるかも しれないけど、僕が見るところそれほど、あの、進振りの点数ほどは際立って、 いない。
でも、たとえばおそらく数理的な能力とかそういう能力は、あの、非常に、あの、 高い能力を持っている人で。

で、今どこにいるのかっていうと、数年前から、まだ本当に数年前、から、 農学部にいるんですよね。あの、それも、僕がずいぶん強く清水さんに お願いして、偶然にそういうポストが一つあったので。
農学部で、なんていうのかしらあれは。その、生命情報学っていうか、 それも本当にその、実験的にやるのではなくて、あの、コンピュータを使って、 あの、たくさん非常に高度なグラフィックスの技術なんかを使って、 その、生命とコンピュータの接点なんかを、あの、コンピュータで色々 と計算をしたり、シミュレーションをしたり。
そういう仕事をやってている研究室が農学部にあるんですね。

そこの教授の先生が、あの、土井先生っておっしゃったけど、 ちょうど退官されて、土井先生はもう元来農学部出身からそういう道に 入られた方だったから、その自分の後任は、ぜひ、情報プロパーの 優れた方が欲しい、っていうことで。で、あの、清水さんを推薦して。
最初は清水さんも非常に嫌がってたんですけども、そりゃだって、 本当の情報プロパーの所から農学部系のところにポストが移るっていうのを 嫌がってたんですけど、一年くらい、毎週のように説得して、ようやく納得 してくださって。

で、農学部へ行って、ただ、今は非常に返って移って良かったって おっしゃって。
やっぱり、一つはだから、本当に、情報と生命の接点。
非常に生命、生物的な事を、その、数理的に、まず取り扱う。
あの、非常に、あの、ああいう、清水さんみたいな方が得意な、あの、 能力を発揮できる所だと思いますけれど。
また、もう一つやっぱり、そういうことをするにも最近はあの、非常に、 あの、膨大な計算量で、あの、やっぱり、非常に、あの、超並列 コンピュータを使った、そういう、あの、事柄が、シミュレーションをする。
だから、農学部で今、一方はそういうシステム的なことをやる。
っから、もう一方は、あの、その、いわゆる従来のコンピュータに近いこと。
おそらくこれから両方作ってやっていくと、あの、清水さんは。

で、あの、そういう経緯で、あの、この授業、も、あの、えっと、 清水さんはそういう経緯でずっと今農学部にいますけども、あのOSに関しては、 ずっと、やっぱり仕事を、あの、中堅でやっていた人なので、あの、ここ、 えっと数年前から一応一緒の名前にやっぱり、特に、あの、 ここ情報科学専攻って大学院がありますけど、大学院では、あの、 名前なんていうんだっけな、名称、兼任って。

僕たちはいわゆる情報科学専攻で、情報科学科と情報科学専攻をこう、完 全に、いわゆる、なんていうのかしら、コア、の教官ですけれども、 大学院になると情報科学専攻、あの、ここの多くの方は将来進学されると 思いますけど、ここの建家にいるコアの教官以外に、あちこちの教官が いっぱい入っているんですね。
であの、そういう中、大学院の学生の人はそういった所で仕事を。
そういう先生を指導教官にして、あの、仕事をする学生の人がここに、 いずれかなりの数出てくるという。

でも、所属はあくまで理学系研究科情報科学専攻、ということで。
あの、大学院の方の教官としては清水さんも入っている訳です。
で、学部の教官、担当の教官ではないけれども、情報科学科は、ここは 人数も少ないし非常におおらかで、そういう先生方もあの、できるだけ 学部の教育にも、当して頂きましょう。で、場合によると、あの卒論も ここの建家でなくて、別のところの先生方の所で卒業研究をやるという ことも認めましょうってそういう運営をここの学科はしてます。

ですから、ここの学科にいる先生方の数は少ないけれども、あの、 外の先生を取りこむことによって、専攻の希望を、あの、 大きくするという試みを。で、できるだけうちの先生も外の先生もあの、 対等に扱う、という感じで運営をしています。
で、あの、清水さんはそういう先生の一人で、そういう経歴の持ち主しですので、 あの、OSの授業を一緒にやってもらう、のには非常にいい方だということで、 東大に移られてまだあの、数年ですけど、移られてからちょっとたってから、 お願いをしています。

ですからこの授業もある所から後は清水さんに担当をして頂くことになると 思います。
本当は一番最初からもう今年ぐらいからやってもらえばよかったんだけど、 つい最近教授になって、もうなんか、向こうで雑務で手一杯ですのでとか いう話を昨日していました。

益田先生1 で、あのこの授業はですね、えっと、今はあの、この分厚い、 毎年これを使っているんですけども、ただ、毎年これを使っているんだけども、 あの、これしか、他のテキストに変えるとめんどくさいからこれを使っている、 というのではなくて、あの、非常に評判がいいテキストですこれは。
で、僕が聞くところではアメリカの大学やなんかでも非常の多くの所で これを使っている。あの、僕らは一通り、いろんなテキストをこう、 目を通していますけども、やっぱり圧倒的にあの、いいテキストです。 非常に英語も分かりやすく書いてあるし。

あの、なんて言うのかしら。あの、きちっと物事が書いて、 ていねいに書いてありますので。
これ一冊読んで頂ければ、読んで理解して頂ければ、もう、 この授業は大体十分あるという感じがして。
ただあのー、改訂版が何回か出てきているんですけど、あのー、 僕が見る所、改訂版が出るたびに読みにくくなっているような感じがして。

やっぱりこういうテキストっていうのはもう一番最初書かれたのは、 ある一つの、こう、強いコンセプトを持って、こういうテキストを書こう。
で、改訂版が出るたびに新しい事が色々もりこまれてくる訳ですね。
で、そうすると、新しい事をどこに入れようか。
で、最初のストラクチャーを崩してしまう。かつ、それでだんだん 分厚くなってきてしまう。

だから僕から見ると、だんだん、こう読みにくくなってきてるような、 改訂版が出る度に読みにくくなってきているような気がしますけれども、 あの、そうかと言って古い版を使うわけにはいきません、手にも入らないので。
値段がけっこういくらくらいしたか、あの、高いかもしれませんけど、 それほどあの、高価ではないので、これを買ってください。

それで、あの、お金がない人は、えっと、一年前も使ってますから、 誰か先輩をつかまえて、譲り受けても、もらってもいいの、かも、しれません。
大学院の学生もいっぱいいるから、あの、借りてもいいのかも、しれないと。
えっと、おそらくですね、そこの本屋さんに、もうまもなく、 さっき連絡したらまだ入ってないんですよね。
もう僕はいっているかと思ったら。
あの、ですから、近いうちに入ると思いますので、 そしたらこれを購入して下さい。
これじゃわからない。
タイトルがですね、OPERATING SYSTEM CONCEPTS。
一応書いときましょう。
えっと著者が、SILBERSCHATS & GALVIN。
本屋さんが、Addison-Wesley Publishing Company。
今年度から。
この版は、fifth Edition。
この、おそらく近いうちに入ると、思うんで、来週くらいまでには入ってると思うんですが。

それから、後、そう、思ってたのは、あのー、その大型機ってのは 一度見てもらうといいですね、大型センターにいって。僕は説明できないから、 大型センターの先生にちょっとでも時間を取って。
今日は連絡してないので無理だと思うんですけども。
やっぱり一度情報科学科の学生の人たち。
うちの学科の並列コンピュータ、それははいつでも見る機会があると 思うんですけど。
大型計算機センターっていうのがどういう物なのか見てもらっておくと いいんじゃないかと思いますので、大型センターを先生にも聞いておきます。 それで簡単な説明でも聞けるといいんではないかなと思います。


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Last updated on 7 May, 1999