情報科学科の先輩に聞く!

第2回 技術をビジネスに

修論ははたして役に立つか?

――その会社で、普段はどんな仕事を?

太田 いまはプログラムを書くというより、プロダクトの方向付けや、その実現に必要な技術の収集をしています。たとえばエンジニアを集めることもそのひとつですね。それから、お客さんのところに行って、プロダクトに足りないものを聞いたり、投資家にプレゼンしたり。社内のLANをセットアップするような雑用もしますよ(笑)。ひと言でいえば、コンピュータサイエンスのバックグラウンドがあるビジネスの人ですね。

——卒論や修論でやっていたファイルシステムは、直接は関係がないのですか?

太田 僕が卒論や修論にしたテーマは、スーパーコンピュータが対象だったから、直接活きているわけじゃない。でも、論文を書く過程で得たいろんな知識や、それが体系化されたものは、すごく活きています。

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 どういうことかというと、論文を書くときにはかなりの量の論文を読んで、いろんな分野を調べます。すると、この分野にはこの人が考えたこういう技術A、それとは別の技術Bがあり、そこから技術Cが派生して、これからこういう方向性で進化するだろう、というように自分の中でマップをつくれます。知識を体系立てるというと、ちょっとかっこ良すぎるかな。
 僕はファイルシステムの論文を調べていくなかで、世界にどういう課題があり、何がボトルネックになっているか、世界にどんなデータベースや解析システムがあり、それはどういう技術をベースにしているか、ひととおり頭のなかに整理できました。だから、卒論や修論で読んでいた有名な国際学会の論文はいまだに読んでいて、自分の中にあるマップを新しい状態にしているんです。