情報科学科の先輩に聞く!

第1回 基盤ソフトに降り立つ

最も遅いところは勝負どころ

――いまは、研究室の配属でどこに進むかを迷っています。太田さんはどうでしたか?

太田 僕は昔から、OSやミドルウェアのようなシステムソフトウェアが好きでした。世の中を支えている感じがあって。誰も気にしないけど、動かないと困るでしょ。それで、研究室選考のときにいくつか書けるのに、1つだけ書いてバンと出したんです。それは、ほかには考えられない、僕を採ってくださいという強い意思表示。ラッキーにもひろっていただけたけど、希望が通らない可能性もあったのだから、そこは人生勝負ですね。

——研究室ではどんなことを?

太田 所属していた石川研究室のテーマは、いかに速いコンピュータをつくるか。そのために、並列計算やOSなどを研究しています。平木研究室も速いコンピュータがテーマだけれど、どちらかというとハードウェアが強みです。僕は、石川研でファイルシステムを勉強していました。
 CPUとメモリはどんどん速くなるけれど、ディスクドライブのほうは実はぜんぜん速くなっていないんです。容量は増えているものの、速度はCPUほどの革新がなく、数十メガバイト/秒程度。つまり、いくらCPUが速くなっても、データの入出力がボトルネックになります。そのいちばん遅いところを速くしたいと思って注目したのが、分散・並列ファイルシステムだったんです。いかに多数のディスクを束ねて1つのファイルシステムに見せかけるか、読み書きを速くするか。そういうテーマを持って研究室に行っていました。
 もっとも、3年生のときに先輩とPFIという会社をつくって、会社をやりながら大学に通っていましたから、家で勝手にコーディングしていることも多かったのだけど。