情報科学科の先輩に聞く!

情報科学科OB座談会「情報のグローバリゼーション」世界が舞台のスゴイ先輩たちが語る“モノ作り”の世界

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第3回 モノ作りと情報科学

“情報”をサイエンスする意味
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――学術的なプログラミングと実用のプログラミングと、どんな違いがあるのか具体的に知りたいです。

鎌田 携帯電話でいうと、いま携帯のソフトウェアはLinuxで1千万行ぐらいです。ハードはCPUが500MHzでメモリが128MBくらい。1千万行というのは、WimdowsNT3.5と同じくらいのサイズになります。

こんなに巨大だと当然バグもあります。けれど携帯電話のようなコンシューマー製品(一般消費者向け製品)はバグがあってはならない。ソフトウェアを動的に更新するシステムにはかなり苦心しますね。また消費電力も問題になるので、いかに電池を消費しないプログラムにするかとか、一生懸命やります。

清水 そうした実世界での使用状況を想定したプログラミングは大学ではあまりやらないかな。

――情報科学科で学ぶことが活かされるとしたらどんなところになりますか?

鎌田 いろいろあります。特に、プログラムの基本設計に対する考え方やテクニックが重要です。例えば「NetFront」の開発では、「NetFront」を少しずつアレンジしながら携帯電話などの多種多様な機器に次々と移植していくんですね。このとき、基本設計が良いと手間やコストが少なくなります。移植が1〜2種類なら影響も少なくてすむのですが、100種、200種となってくると差が莫大になってしまいます。

清水 コンシューマー製品はハードもバリエーションがありますしね。

鎌田 CPUの種類もパソコンとは桁違いに多い。

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飯沢 それに、ハードが安定する前にソフトを作るときは、シミュレーターを作って、コンパイラを作って、アセンブラを作ってと、やることがたくさんある。ヘタするとどこにバグがあるのか見当もつかない状況になっちゃって、とてつもない苦労をすることになる。

鎌田 基本の設計思想の重要性は、ますます高まってきているんです。僕は、情報学科で学んだ基本設計に対する考え方やテクニックがいま活きていると感じていますよ。