情報科学科の先輩に聞く!

情報科学科OB座談会「情報のグローバリゼーション」世界が舞台のスゴイ先輩たちが語る“モノ作り”の世界

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第2回 モノ作りと開発の極意

あこがれは「世界初」のタイトル

――長い時間をかけて技術開発に取り組むモチベーションは、どんなところにあるのでしょう。

清水 やっぱり僕は「コンピュータを作りたい」という思いかな。コンピュータはプログラム次第で無限の可能性がありますからね。コンピュータを作るには半導体を作らないといけません。僕が入社した当時はまだワンチップはなかった。「ないならそれを作りたい」とやっているうちにここまで来たという感じです。それと、単純なんだけど、「その製品、作ったのは僕だよ」と言いたいというのもある(笑)。

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――あ、わかります。僕(太田)は高校時代に携帯電話のiアプリのプログラミングで遊んでいたのですが、javaで作ったシューティングゲームを配布したら40万ダウンロードがありました。ある日電車に乗ったら、隣にいる人がやっていたんです。ものすごくうれしかった。それ以来、人に使ってもらうソフトウェアを書くのが目標になっています。

清水 技術開発をする人はみんなそうですよ。「使ってもらいたい」気持ちでやっている。カッコよく言うと「自分の仕事で社会に影響を与えたい、社会に貢献してみたい」という気持ち。僕も開発したチップが製品に載るのはすごくうれしくて、搭載した製品の出荷台数をカウントしたりします。

鎌田 僕も毎日カウントしていますよ。いま「NetFront」を搭載したモバイル機器は累計5億台出荷されていて、現在年間2億台出荷されています。割り算すると、1秒間に3、4台出ているんですよ。この計算は、もちろん自分でやってます(笑)。

清水 思いは共通なんですよね。

鎌田 技術開発では「土台を手がけたい」という気持ちもありますよね。清水さんがコンピュータ、飯沢さんがデータベースをゼロから作りたかったように、僕はOSを手がけたいと思っていました。ところがパソコンのOSはBASIC、MS-DOS、Windowsとマイクロソフト社の独壇場が続いてきたでしょう。経営面では成り立ちにくいし、技術面では他人の畑で作物を作っているようでつまらない状況が続いてきました。僕の場合は、土台をやれる領域はどこか、どうしたら近づけるかなと試行錯誤しつつ、20年かかってようやくOS周りに近づいてきた感じがあります。

清水 もっと大きく言うなら「“世界初”を作りたい」というのもあるでしょう。“世界初”のタイトルはものすごくカッコいい。そして、実現はものすごく難しい。そんな気持ちと実際の状況は大きく乖離していて、その狭間でもがきながらここまでやってきたという感じもしますね。

飯沢 そういう“志(こころざし)”みたいなもの、持ち続けたいですよね。僕の経験でいうと「やり続けたい」と強く思えることは継続できます。粘り強く継続していくと、時間がかかってもいつか目的のモノができあがってくるものだと思います。