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講演会情報

数理モデリングで理解するがんの進化
講演者:新井田厚司(東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター)
2019年7月3日(水)15時〜16時30分 理学部7号館地下007講義室
がんは細胞のゲノムに変異が蓄積し増殖能力が高いものが進化的に選択された結果生じる。この進化の過程で異なるゲノムを持つ様々な細胞集団が生み出され一つの腫瘍内においてゲノムレベルの不均一性を生み出していると考えられている。演者は九大別府病院との共同研究で一人の患者からの大腸がんの複数の部位から得たDNAシークエンスすることにより大腸がんに広汎な腫瘍内不均一性が存在するのを見出した。また他の癌腫についても同様の解析により腫瘍内不均一性の報告がなされている。しかしながら、それを生み出す原理の探求についての試みはほとんどなされていなかった。この目的のために演者はがんの進化シミュレーションモデルを開発し、近似ベイズ法により実験データと同様の腫瘍内不均一性が生み出される条件の探索をおこなった。その結果、高い遺伝子変異率に引き起こされる中立進化により高い腫瘍内不均一性が生み出されている可能性を見出した。加えて本講演では最近開発した新規パラメータ依存性解手法とがんの進化シミュレーションへの応用例についても紹介する。